むちうちに湿布は効果がある?湿布の種類や貼り方の注意点もご紹介
最終更新日 2022年2月25日
むちうちの治療の一つに、「湿布」が挙げられます。
筋肉痛、寝違えといった痛みに対し、どなたも一度は湿布を使用されたことがあると思います。
しかし、そんな身近な治療法でありながら、
「むちうちでは、冷湿布・温湿布のどちらがいいの?」
「湿布だけでむちうちは治るの?」
と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか?
この記事では、これらのようなお悩みを解決すべく、以下のことがわかるようにまとめてあります。
ぜひ最後までお読みになり、むちうちの改善に役立てていただければと思います。
目次
むちうちに湿布は効果があるのでしょうか?
身体に痛みがある場合、湿布での処置がまず思い浮かぶと思います。
交通事故に多い「むちうち」に関しても、湿布は効果を期待できるのでしょうか?
湿布の効果について
湿布には皮膚から吸収できる「消炎鎮痛剤」が含まれているため、炎症や痛みを抑える効果を期待できます。
また湿布の種類によっては、患部を冷却したり、温めて血行を促したりする作用もあります。
湿布の細かい種類については、次項にて詳しくみていきましょう。
むちうちとは
むちうちとは、強い衝撃で頭が大きく振られて生じる、首まわりの負傷の事です。
頚椎周辺の靭帯や筋肉を損傷していることが多く、炎症も出やすくなっています。
そのため、痛みや炎症が強い「急性期」には、消炎鎮痛作用のある湿布は特に有効です。
また、炎症が落ち着いた「慢性期」においても、痛みの緩和のために湿布は効果的です。
むちうちに効果のある湿布の種類はどれ?
一口に湿布といっても、冷たく感じるものや温かく感じるものがあります。
また、白や茶色といった色の違いもあります。
こちらでは、湿布にはどのような種類があり、どう効果に違いがあるのかを、詳しく解説します。
湿布の種類
湿布は主に「ハップ剤」と「テープ剤」に分けられます。
ハップ剤(白色)
白くて、少し厚みのある湿布です。
こちらのタイプは、水分が多く含まれています。
ハップ剤は消炎鎮痛はもちろんのこと、水分の蒸発によって熱を冷ます「冷却効果」も期待できるようになっています。
ハップ剤は肌への刺激が優しいため、テープ剤と比較してかぶれにくいのが特徴です。
また、ハップ剤の中にも、ひんやりと冷たい感触がある「冷湿布」と、唐辛子の成分が含まれ、貼ると温かくなる「温湿布」の二つの種類があります。
炎症の抑制を主眼とした急性期と、温めて筋肉の緊張を緩める必要がある慢性期とで、冷・温湿布を使い分けることが大切です。
テープ剤
厚みが薄く、茶色の湿布です。
「ケトプロフェン」や「ロキソプロフェン」といった成分が含まれているため、ハップ剤と比較して鎮痛作用に優れています。
テープ剤は、肌にぴったりと貼りつくために剥がれにくいです。
また、薬の効果も10時間ほどあり、長い時間の鎮痛効果を期待できます(ハップ剤では3〜4時間とされます)
むちうちに効果のある湿布の使い方や注意点について
湿布の貼り方によって、何か効果に違いはあるのでしょうか?
湿布の注意点と合わせて、こちらでは、湿布の正しい貼り方をご紹介いたします。
湿布の貼り方だけでむちうちの痛みに違いがでる?
結論から申しますと、湿布には特に決まった貼り方はありません。
痛みや熱っぽさを感じる箇所に貼るようにしてください。
また、次に挙げる点に注意して、使用するようにしましょう。
ハップ剤の注意点
ハップ剤では、薬の作用がおよそ3〜4時間ほどとされます。
それ以上貼り続けていても、消炎鎮痛の効果はあまり期待できません。
加えて、貼り続けると蒸れてしまい、患部に熱がこもるおそれがあります。そのため、ハップ剤を使用する場合は、午前と午後とで貼り替えることがおすすめです。
またハップ剤には、寝返りや腕・肩を動かした際などに、剥がれやすいというデメリットがあります。
睡眠中や仕事中など、どうしても剥がれるという方は、サージカルテープで湿布を止めるという方法があります。
※湿布を固定するためのシートも販売されています。
テープ剤の注意点
テープ剤は薬剤成分が強いため、同じ箇所では1日1回の使用に留めるようにしてください。
同じ箇所でなければ、複数枚使用は可能とされていますが、詳しい使用方法については、医師に相談することをおすすめします。
またテープ剤はかぶれやすいため、使用中にかゆみなどの症状が出た場合は、剥がして肌を休ませるようにしましょう。
整形外科で処方された湿布が効かなかった場合の対処法
むちうちの症状は、個人差が大きいです。
湿布と安静によって改善する方もいれば、それだけでは痛みが取りきれない方もいます。
もし湿布だけで痛みが改善しなかった場合は、どのような対処をすれば良いのでしょうか?
湿布だけでなく痛み止めを処方してもらう
安静にしても痛みが治まらず、仕事や日常生活に支障が出るようであれば、医療機関に相談してください。
薬によって、痛みを抑えられることがあります。もちろん痛み止めの薬は、一時的な対処です。
しかし、「強い痛みがストレスとなる→交感神経が刺激され患部の緊張が強まる→痛みがより強まる→…」の悪循環を一旦断ち切ることができます。
接骨院・整骨院を併用しむちうちの施術を受ける
湿布や痛み止めなどの薬は対症療法であり、原因に対する治療にはなりません。
急性期の強い痛みが落ち着き、慢性期になりましたら、接骨院・整骨院の施術も、むちうちの改善に有効です。
筋肉の緊張を緩めて血行を促すと、損傷の回復に必要な栄養素が、患部に運ばれやすくなります。
また、骨格を矯正することで、頚椎のゆがみから生じる神経への刺激・圧迫なども緩和しやすくなります。
むちうちで整形外科と接骨院・整骨院を併用する方法
整形外科などの病院だけではなく、接骨院・整骨院でも、むちうちの施術を受けられます。
こちらでは、整形外科と接骨院・整骨院を併用する方法や注意点などを、詳しく説明します。
併用には医師の許可が必要
接骨院・整骨院を併用する際は、必ず医師の同意をもらうようにしてください。
そして、保険会社の方にも連絡をいれましょう。
許可を得ずに無断で併用していた場合、接骨院・整骨院での施術に、自賠責保険が適用されないおそれがあるためです。
しかし中には、整骨院での施術をよく思っていない医師もいらっしゃいます。
かかりつけの医師に同意が得られない場合は、接骨院・整骨院が紹介した医療機関にて、許可をもらうという方法もあります。
接骨院・整骨院で施術を受けるメリット
湿布や痛み止めの薬なども、むちうちの治療としてもちろん大事です。
しかし、首まわりの緊張や頚椎のゆがみなどをそのままにしておくと、根本的な改善は難しくなっています。
首の痛みやしびれ、頭痛といった後遺症が残らないよう、接骨院・整骨院での施術も並行して受けることをおすすめします。
接骨院・整骨院を併用する際の注意点
接骨院・整骨院の施術をメインにする際も、必ず医療機関へは月に2〜3回は通院するようにしてください。
保険会社は、医師の診断を元に、お身体の状態を確認しているためです。
※接骨院・整骨院では、診断はできません。
治療を開始し半年を超えても症状が改善しない場合、定期的に医師に診てもらっていないと、後遺障害認定をもらえない可能性が高くなります。
むちうちの改善には湿布以外の治療・施術も有効です
- 湿布には、むちうちの炎症や痛みを抑える効果を期待できる
- 湿布は主に、白いハップ剤と茶色いテープ剤の2種類に分けられる
- ハップ剤は熱を吸収する作用、テープ剤は痛みを抑える作用に優れている
- 湿布が効かない場合は、痛み止めの服用や接骨院・整骨院での施術が有効とされる
- むちうちの治療で、接骨院・整骨院を併用する際には、医師の同意が必要である
むちうちに対して、湿布は一時的に痛みを抑えることしか期待できません。
湿布だけではなく、接骨院・整骨院による施術で、頚椎まわりの損傷をしっかりと回復させることをおすすめします。

